インタビュー

【サッカー人インタビュー企画vol.6】コーチから見るサッカー 本間吏

本間 吏 / Satoshi Honma
1994年生まれ。都内小学校のサッカーチームのコーチとして現在奮闘中。
ミスター専修(2014年)にも輝くなど、多岐にわたる才能を発揮。

 

やっぱり「サッカーが良い!」

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Q. サッカーを始めたきっかけはなんですか?

マンションの先輩が地元の小学校サッカーチームに入っていて、「先輩もやってるからやってみよう!」みたいな感じでそのチームに行ったのがきっかけです。それで、今まで続けてやってきました。だから、先輩の影響ですね!

野球にも興味があったが、その当時、(野球をやっていた)知り合いが居なくて。父さんなんかは、息子とキャッチボールをするのが夢だったみたいですけど(笑)。僕はサッカーを選びました。

 

Q. サッカー 一本 で続けてきた理由を教えてください。

体力には自信があったので、サッカーでは自分のそこの部分生かせると思った。それに、サッカーって「足」でやるスポーツだから。何が起こるかわからないし、ミスが起こるのも当たり前だと思ってるから、そういう意味では“開き直って出来る”かなって。

それを、中学の先生に言われて、「『手』でやってる野球とかバスケでもミスがあるわけだから、足なんてミスして当然だろ!」って。勿論、その中でミスをいかに少なくしていくかってところが大切なんだけど、そのことを認識し始めてから、“思い切って出来る”“やってみよう”と思えるようになりましたね。そこから、やっぱり「サッカーっていいなあ」って。

だから、“サッカーの偶然性”に惹かれた部分があった(から、続けてこれた)。

“人との関わり”とかって野球でもバスケでもあるから、「足」っていうのはやっぱりサッカーの大きな特徴なんだと思う。

 

小学生相手だからこそ

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Q. 小学生チームのサッカーコーチをやろうと思った経緯を教えてください。

サッカーコーチに興味を持ち始めたのは中学時代。高校生の時には、「大学生になったら小学生チームでやりたい」って決めてました。

だけど、大学1年の時は結局始められなくて。他の人がやるってもう既に決まっていたから。でも、大学2年になって声をかけて頂いたから、「やります!」と。

 

Q. なぜ小学生チームでやりたいと思ったのですか?

小学生の時に教わったコーチから受ける影響って半端なく大きいと思っているので。学校の先生より会っている回数が少ないのに言われた事とかも鮮明に覚えてるし、あとちょっとした癖とか(笑)。その小学生という大切な6年間の時期で、やっぱり直接向き合って発信者になりたいというのがありました。

 

Q. 子ども達にコーチングしている上で気を付けていることや意識していることは?

まぁとりあえずサッカー云々の前にまず礼儀。一番最初は。そこ癖をつけとかなくちゃ中学高校大人になって、直らなくなっちゃう。性格って17歳までに決まるって言われているけど、正直言って中学はギリ指導してくれるかもしれないが、高校とか段々(礼儀に関しては)言われなくなるわけで。というのは、挨拶とかは出来て当然という括りだから。

だから低学年、小学生の時からどんな小さなことに対しても「ありがとう」とか「お願いします」とか「ごめんね」って言う癖をつけといて、大人になったら当たり前に出来るようにしないといけない。

そうゆうところって、野球やっている人と比べると足りていないと思っていて。やっぱり、ずっと小さい頃からやってるからあの人達は癖ついている。その礼儀の部分はサッカーやってる人は欠けてるかなと全体的に。今まで経験してきた中でそう思ったので、まず礼儀を意識している。サッカー上手いとかよりも。

 

Q. 「こうあって欲しい」という子供たちに対しての思いはありますか?

まあ、あんまり自分の色に染まって欲しくないって思いもあるけど、なんだろうな、メリハリがある子が一番好き。ふざける時はちゃんとふざけて、勉強するときはちゃんと勉強、練習するときは練習。自分のなかでスイッチがちゃんとある人になって欲しい。

まだ小学生なので、練習やるよって言ってもまだふざけてる子も中には居る。でも、そこは小学生とは言え、シビアにっていうか、メリハリがある子になって欲しいと思っています。

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Q. 練習の部分で意識していることがあれば教えてください。

サッカーに関して意識してることは、練習を面白くやることです。サッカーは元々スペックを持っている人と違う人が居るわけだから、一回教えて出来る子と出来ない子が居て当たり前で。だから、あんまりそれに関して焦らしてもしょうがないし。

でも、何度言っても直らない時とか意図のないプレーをしたら怒ります。けどミスして怒っても意味がないんです。

意図のないプレーに怒るって言ったけど、それは練習メニューを作る側にも言えることで。だから、“ずっと同じ練習”とか“(子供たちが)よく理解できない練習”はしたくない。

意識しているとしたら、なので「もっと考えさせる」練習かな。

自分で(プレーに)意図を持たせる。何のためにやっているんだろうって考えさせる。

「やれっ」って言うんじゃなくて。

例えば、「ステップを踏みなさい」言うだけじゃなくて、じゃあ「なんでステップを踏むと思う?」っていうのを聞いてみる。自分で考えて言わせることによって、まず「頭」の部分での理解が深まるだろうから。だから、聞いてあげる・考えさせてあげるって時間は作るようにはしています。

 

Q. 小学生を指導する上で、大変だと思った部分ってありますか?

大変だなって思う部分は、差がどうしても出てきてしまうとこ。やっぱり同じスタートをしても、運動神経とか身体能力っていうのは違うし、一生懸命練習やってる子でもなかなか伸びてこない子とか、上手くいかない場合がある。

あと、一番小学生の頃ってサッカーで何が嬉しいかっていうと、試合勝つのも勿論嬉しいし、ゴール決めた時って決めたと思った瞬間に凄い走りだしたりして、見てても、嬉しいのがよく分かる。そういう意味でゴールいっぱい決める人も居れば、バックでゴールを守るっていう役割の人も居るから、そういう意味で「差」が生まれてきちゃう。だから、そのメンタル面な部分の「差」を埋めるのが一番難しい。「どうせゴール決めらんないし」とか「どうせバックだし」とか言われちゃう時もあります。

 

Q. どうやって解決していく?

それぞれポジションがあって、このポジションにはこういう役割があってっていうのを先ずは教えていきますね。それでも、気にしてる人に関しては直接二人で話す時間を設けます。気にしてたり、一生懸命練習してるのに芽が出ない人に関しては、二人で話す時間をとって、こういう良いところがあるんだからこういうところを生かしなさいって言う。その上で、その子に合うポジション、その子が好きなポジションをやらせてあげてるっていうのは対処としてあるかな。

 

Q. 技術面での差異というのはあまり問題ではない?

少しは気になるけどね(笑)。先頭を走ってる子達がそのまま伸びてくのは嬉しいし、後ろの子達も腐る子じゃないから。差がついて、「まあいいや」ってなる子達じゃないから、そこを背中押すぐらい。

 

連携が大切

 

Q. 親御さんとの連携はかなり意識しますか?

する!すごく。ほんとに。やっぱりサッカー分かるようになってきたから親御さんも。ある意味都合が悪いんだけど(笑)。僕らが小学生の時はお父さんがサッカー経験者って人が少なかったから、プレーに関して細かくああだこうだと言われなかった。コーチに任せっきりだったとも言えるんだけど。

あと、僕言うんですよお母さん方に。あの、お母さん方って「シュート!」とか「なんでそこいかないの!」とか言うじゃないですか。僕それ言うのやめてくださいって言ったの。

「言いたくなっちゃうんだよね~」みたいな感じは僕もわかるんですよ(笑)。だから、「走れー!」とか「声出せ!」とかは全然言ってくださいって。そっちの方がパワーになりますから試合中。ただ単にサッカーの細かいことに関しては言わないでくださいと。

あと帰った後に、「なんであの時あのプレーしなかったの」みたいに怒らないでくださいと。怒るのは僕と監督がやります。出来ていない所は2人が言うので。帰ったら褒めてやってください。僕らが気づけない部分もお母さん方が気づく事とかあると思うので。

やっぱりそこのバランスが出来ていないと潰れていっちゃうから。

特に、長男って褒められると凄く喜ぶ子が多いと思いますね。だから長男なのか弟なのかとか、お母さん方とコミュニケーションとってこうゆう子はこうゆう育て方してるからこうゆう言い方してもたぶん聞かないなとか…意識してますね。最近お母さん方とお話しする事が増えたのでそうゆうバランスはとるようにしています。

 

あとこだわってる事をもう一つ。影響力があるから言葉のチョイス、言葉遣い、発するトーン、目線を合わせる。言葉のトーンに関しては怒るときは低く、ほめるときは高くすることを意識してる。言葉遣いは悪く言うときは悪いけど子供たちには悪いことは使わない。他のコーチとか見るとその人の真似を小学生がしている、その人の色に染まっているのを見るから、ただ単にこう言いたいのももっとうまい言い回しがあるんじゃないかと考えてる。あと目線だね、目線に関しては松岡修造を見てすごく思うんだけど、あの人は背が高いから立っていうと上から目線が高いから怖い、絶対ミーティングの時も怒るときも目線は合わせている。指示だす時もたたんで目を合わせてる。遠いときは大丈夫だけど近いときはかがんでる。だから子供たちにも人の話聞くときは目をみなさいと言っている。目線を合わせたり、目を見させたり。中学生と比べて小学生はそういうことに敏感?コーチは大きいから怒られたら怖い。中学生ならなんだよこいつとなるけど高学年だと気にする人は気にするし、低学年は身長が膝くらいしかないから大きい人に怒られるのは怖い。威圧感があれば褒められても怖い。だからちゃんとしゃがんで目を見てほめてあげたいということは意識している。

 

「和」ができる

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Q. サッカーをやってきた中で良かったと思えることは?

人の繋がりですね。サッカー通じて、それは今でも感じます。例えば、小学校の時って他の学校の子と触れ合う機会なんて普通に過ごしていたらほとんど無いと思うんですけど、サッカーをやっていたことによって、他のチームの友人が出来た。その友人関係が今でも続いている人も居る。サッカーをやってたことによってそういう友達が増える。

あと、いろんな(タイプの)人が居る。例えば、高校になったりすると中学生や小学生の時には会わなかったようなタイプの人間に会うことで人間的な成長が出来る。性格が多様な中で、こういう性格だからこうしなくちゃいけないとか、こいつはこういうプレーするからミスした後にこういう声掛けをしなくちゃいけないとか。

スポーツ全般に言えることかもしれないけど、人との繋がりとか人間的な成長の面でサッカーやっているのと何もしていないとでは全然違う。

 

Q. サッカーの持つ可能性とは?

大学行って改めて思ったのは人の「和」。大会で過去に会った人と今でも繋がりがあったり、サッカーをお互いやってたってだけで話がそこで盛り上がったりする。

W杯とかになると、全く知らない人同士なのに応援しあえるし、輪が広がる。

チームプレーだからこその人の「輪」を特に感じる。繋がっているという意味でも。

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本間さんありがとうございました。

 

WorldFut インタビュアー

永井千晶、西山直哉

 

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