WorldFutはサッカー×国際協力を軸に活動を行っていますが、
第一弾はサッカーに関係する人にインタビューを行ってきました!
今回インタビューを行ってきた方はこちらです!
カンボジアサッカー1部リーグ
アンコールタイガーFC 現地責任者 篠田 悠輔さん

2016年よりカンボジアのプノンペンに移住し、サッカークラブ「アンコールタイガーFC」の現地責任者としてカンボジアサッカーの発展に従事。現在はスポンサーセールス、チームのマーケティング・プロモーション、試合集客に力を入れたホームゲーム運営、選手や監督との契約交渉、サッカー以外の事業における可能性調査など幅広く活動。
◎篠田さんはサッカーを通してカンボジアに何を伝えたいですか?
国を跨いで活動できること、喜怒哀楽をみんなでサッカーを通じて分かち合える部分を大事に思っています。自分のサッカークラブでサッカー選手が出てくれれば本望です。自分の活動を通してサッカーを知ってもらう、サッカーを好きになってもらいたいですね。試合を通して勝った瞬間や負けた瞬間、試合に負けてピッチに乗り込むような瞬間に惹かれます。みんなが試合に勝って喜んでくれることがパワーになっています。現在シェムリアップはみんなコロナの影響で仕事を失ってる状態なので、いままでの日常が戻ってくるかわからない不安があります。観光地として成り立っているシェムリアップでサッカーを1つのコンテンツとして成り立たせたいと考えています。他のサッカーチームがシェムリアップで試合をすることでホテルやレストランなど、街の経済を回すことにも繋がります。
◎喜怒哀楽においてカンボジア人と日本人でどう違いますか?
カンボジア人はすれ違う時でも笑顔、表現豊かで柔らかいですね。これはサッカーにも関わってきますね。声援もあって今までホームでの試合が優勝していた回数が多かったので試合が無観客になるとアドバンテージが減りますね。
◎カンボジアにも日本のような熱狂的なサポーターチームはいますか?
もともとはいないですね。2016年のときはオリンピックスタジアムに100人前後くらいしかいませんでした。多く入っても500人くらいでしたね。応援にきているのも知り合いや家族が多くサポーターはあまり多くはありませんでした。しかし最近はコアなサポーターが増えてきました。
◎カンボジアでサッカーをさらに普及させるためには何が必要だと思いますか?
サッカーに触れる人の母数を増やす事でサッカーに携わる人が増え、プロを目指す人が増加すると考えています。同じようにサッカーを教えられる人がいて、プロになりたい人が増えます。現在、カンボジアには25の州にそれぞれユースのアカデミーが作られています。カンボジアにちゃんとしたサッカーチームは数えられるくらいしかなく、サッカーに触れる機会が少なければ、サッカーがうまい人が育つのも必然的に少なくなります。私のチームとしてできる範囲は限られていますが、シェムリアップでアンコールタイガーFCが優勝することで子供たちに大きなインパクトを与えることができます。私たちのチームのユースに興味を持ち始めてくれる子供が増えることで認知度も上がと考えています。
◎カンボジアのアカデミーの現状を教えて下さい。
全体的なこととして、県選抜みたいなのがアカデミーに当たります。6割ぐらいのチームがアカデミーを持っています。カンボジアサッカー協会が運営しているエリートアカデミーは、全国から選抜されたチームで、全寮制で毎日サッカーを練習するアカデミーが存在しています。指導者はベガルタユースやエスパルスのユースの指導者出身でJFAから派遣されています。私たちのチームとしては、シェムリアップにいる人達でトライアウトを行い、人工芝のコートで練習試合を行なっています。活動日数はあまり多くははいですね。U15やU18で150人で再セレクションを行いました。モチベーションが高い子はいくら遠くに住んでいてもかなりの時間をかけて通ってくる子もいますね。日本と同じで上手いけど練習をサボって試合だけ来る子もいます。サッカーの設備は毎日提供できるわけではないけど、コーチが選手を教育する部分ではしっかりしている方だと思います。
◎コーチに満足してないのはモチベーションかスキルどちらの観点からですか?
コーチのモチベーションはあまり高くないですね。新しいことを学びに行く精神が欠けてる気がします。例えると日本の地方の高校のようにパワフルでも戦術的なクオリティが低いみたいな感じです。私たちのチームのコーチの場合はAライセンスもあってサッカーの技術だけでなくて教育の部分の担保はしてくれています。
◎今のカンボジアの選手をみていて子供達にはどんな教育をした方がいいと思いますか?
サッカーという側面では、戦術理解だと思います。これは質の高い監督がコミットメントしていくことに尽きると考えています。選手のスタンス、ポテンシャルはあるのに実際に試合に真面目に取り組まない選手とかのサポートは課題であると感じています。学校教育の側面では、貧富の格差があると田舎に良い教育者が集まりません。この問題にしっかり向き合うべきだと思います。
◎カンボジアのプロ選手を全体的に見て、海外に出て活躍したいというモチベーションは高いですか?
低いと思いますね。そもそも海外のことが見えていないのは自然な現象で、海外で挑戦することは自然と視野が広がるけどどこまで本気で目指しているのかという疑問が浮かんできます。海外で活躍したい気持ちが日常的なモチベーションにはなってないですね。しかし今の子ども達はユースの大会で実際に海外を見て、海外志向になっています。昔の日本と同じように知らない夢を見ることはないはずですね。ユースの海外大会参加は選手の活躍を変えるきっかけになると考えています。そもそも、カンボジアのサッカー選手は一般的の人よりもお給料を多くもらっていることから満足をしてしまっている感じがしますね。
◎篠田さんが考えるサッカーの可能性は何ですか?
非日常を与えるものだと考えています。皆で泣いたり、本気で喜ぶことができることですね。私たちのチームを応援してくれるファンの人たちを喜ばせることが第一です。シェムリアップで人気度の高いスポーツかつ自分の好きなスポーツがサッカーでした。カンボジアの人達の中で野球バレーなど他のスポーツのことを知っている人は少ないと思います。
◎子供達はサッカーがお金を稼げるスポーツだと思えていますか?
今はそう思われています。5年程前はその考え方が子供達の間でありませんでしたが、今の子どもはその理解がかなりあると思います。しかし子供達の両親や親世代はサッカーによって生活をしていくことは、お金にならないと思ってサッカーをさせない親も多いのが現実です。サッカーはお金を稼げるという考え方に変化した理由は、クオリティの高いチームを持つようになったことでサッカーに対する注目が集まるようになったからですかね。
◎WFTのある大会で12歳以下を対象に行ったものがあったのですが、年齢を隠してごまかして参加している子がいたのですが大人でもこのような事はありますか?
私たちのチームでは、18歳以下なのに20歳の人が来たりします。年齢を隠して試合に出ることは日本ではいけないことというイメージが強いですが、カンボジアからしたらそんな考えはなくて少しでもチャンスがあるのならそこに行くべきだろうと思っているだけな気がしますね。
◎WFTはイベントなどで集客のやり方に苦戦してるのですが、どのように工夫していますか?
これはとても地道な事ですね。実際にFacebook上で練習風景の動画を掲載したりプロチームのユニフォームのプレゼント企画を行ったりしていました。また過去には高校生や大学生が実際にフットサル場でプレイしてる所にひたすら声かけをしに行ったりしていました。
◎都市部のクラブチームが多い中で、それらに関われる子が少ない農村の子供達にきっかけを与えるとしたら誰にアプローチするがいいのでしょうか?
その地域にゆかりがある人に来てもらうことが有効だと思います。例えば、日本人でもカンボジア人でも、ある有名人のサッカークリニックをやる企画をします。有名人を呼ぶことでコンテンツとして注目されるようになります。ダメ元で頼んでみることが大切だと思いますよ。
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